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売約済み<渋谷店>ヤマハ YU1-S(展示品詳細)

売約済み<渋谷店>ヤマハ YU1-S(展示品詳細)

ヤマハの中古サイレントピアノ。消音機能を試してみたい方におすすめ♪
~こちらのピアノはご成約となりました。現在の店頭商品情報は➤こちら


こんにちは、三浦ピアノです。
渋谷店で展示中のヤマハ中古サイレントピアノのご紹介です!

<YAMAHA YU1-S>※中古再調整品
高さ121cm/間口153cm/奥行61cm/重量232kg
1998年製


サイレントピアノ、今では当たり前のように使われている呼び方ですが実はヤマハの商標なんです。
サイレントピアノ(消音ピアノ)とは、端的に言えば「普通のピアノとしても使えて、必要に応じて音を消せるピアノ」です。

音を消している間は、“電子音”をヘッドフォンやスピーカーから聞くことができます。

普段は通常のアコースティックピアノで演奏を楽しみ、音が出せないときはサイレントピアノで周りに聞かれずに練習♪
1台2役とっても便利なのです♪
アコースティックピアノに電子ピアノの機能を付け足すようなイメージです。

では、「音を消す」とはどういうことでしょうか?
ピアノを上からのぞいてみます。
青い枠で囲った金属のパーツ(=消音バー)にご注目ください。
何やら、ハンマーと弦の間に金属製の棒状のモノがあります。
これが、ピアノの音を止めるためのパーツです。
ペダルを操作することで、この消音バーが動きます。
真ん中のペダルを踏みます
↑踏みました↑
では、先ほどの消音バーがどうなったか見てみましょう↓
少し手前(ハンマー側)に動いたのがわかりますか?
横から順番に見てみましょう。

まずは、改めて通常のピアノの状態。(真ん中のペダルは踏まれていない状態です)
音を出す瞬間にハンマーが弦に当たります。
手前の消音バーとハンマーシャンク(ハンマーの柄の部分)には隙間があります。
続いて、サイレントをONにした状態。(真ん中のペダルを踏んだ状態です)
手前の消音バーとハンマーシャンクが接触していますね。
ハンマーは弦に当たっていません。
ハンマーが弦を打たなくなる=音が出なくなるという、なんともアナログな仕組みなのです。

さて、生音(通常のピアノの音)が出なくなっている間は、代わりに電子音をヘッドフォンで聞きます。
スピーカーをつないで外に音を出して音量調節することもできますので、ヘッドフォンが苦手な方でも安心して使えますし、お子さんが練習しているときに「何を弾いているのかわからない」なんてことにもなりません♪
※電子音は元々サンプリングされている音になりますので、このピアノ固有の音ではありません。

電子音として音を出すためには、鍵盤の動きを読み取らなければなりません。
鍵盤の下に光センサーが入っており、それが鍵盤の動きを読み取ります。
赤いビームが光っているのが見えますか?
鍵盤にシャッター(青丸で囲った箇所)が植えられており、鍵盤が下りる時に光センサーを遮断して動きを読み取る仕組みになっています。
さて、サイレントピアノは時々「消音の間、電子音になるってことは電子ピアノと同じじゃないか?」と思われがちですが、実際には大きな違いがあります。

ピアノは鍵盤を弾いてからハンマーが弦を打つまでにいろんな部品の動きが絡んでおり、この“音を出すための機構”を“アクション”と呼びます。

一般的な電子ピアノにはこのアクションが入っていませんが、サイレントピアノ(消音ピアノ)はピアノのアクションはそのままなので、“タッチの自然さ”がサイレントピアノと電子ピアノで大きく異なります。

また、生ピアノと電子ピアノとでは内部構造の違いから手の筋肉の使い方も変わってきてしまいますが、サイレントピアノ(消音ピアノ)はその心配が少ないことも利点です。


では、サイレントピアノの仕組みがわかったところで、ピアノについてご紹介します。
背の高さは121cm、いわゆるU1型と呼ばれるスタンダードなサイズです。
鍵盤蓋には、手を放してしまってもゆっくり鍵盤が下りてくれる“ソフトランディング機能”が搭載されています。
この写真は連射機能を使わずに撮影しましたので、それだけゆっくり閉まってくれます。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭には嬉しい機能です♪
ただ、この機能が付いていないピアノも多くありますので、学校や公共施設などのピアノに触れる機会が有っても、基本的には鍵盤蓋の開け閉めは丁寧にしていただくようお子様にはお伝えくださると安心ですね。

それでは最後に、弾いてみた感想です。
音に対する表現としてはわかりにくいかもしれませんが「素朴な音」という印象を持ちました。
「ヤマハの音って(特に高音が)キラキラしてますよね!」といわれることが多い中(中には「金属的だ」と表現されるくらいキラキラ感を感じる場合もあったり)、こちらのピアノは弾いていてなんだかのどかな気分になりました。
ヤマハらしいきらっとした音質は持ち合わせているものの、音の出方がきつくなく、ふんわり穏やかに響くので、落ち着いた気持ちになります。
ぜひご試弾くださいませ♪

最後に、もうひとつ。
弊社では中古のサイレントピアノをそのままお出しすることはほとんどないのですが、現在は半導体不足で後付消音ユニットの入手がなかなか困難になっていることもあり、今回はサイレント機能が問題なく使えているので付けたまま販売することにしました。(※2024年現在は後付け消音ユニットの供給は安定しました)

ピアノとしてはまだまだ若い方ですが、電化製品として考えた場合は正直言って新しくありません。
そのため、販売価格にサイレント機能の価値は乗せていません。
「メインは生で弾くけど、ときどきは消音が必要」というようなあくまでも「生音がメイン」の方へおすすめです。
お値段そのまま、ちょっと使ってみたい方向けにサイレントがおまけで付いている♪という風にお考えいただければ幸いにございます。
将来的に、サイレントで弾く時間が長くなってきたときには、最新のユニットへのバージョンアップも可能です。

皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。