vivace(ビバーチェ)ってなんだっけ?
こんにちは!




三浦ピアノです。
水曜の夜、ドラマ「リバーサルオーケストラ」 を観ていてふと思ったので筆を執りました。
こんなマイナーなブログを目に留めてくださるそこのあなた様は、きっと 無類のピアノ好きさんや音楽好きさんのはず!
リバーサルオーケストラ観てますよねっ???
はい、本題に入りますね。
一昨日の第三話。
冒頭でオーケストラの大黒柱であるティンパニの演奏者さんが退団してしまい、 本番まであと僅かな児玉交響楽団のメンバーはピンチに。
田中圭さん演じる指揮者の常葉朝陽が、 門脇麦さん演じるコンサートマスターの谷岡初音に「 ティンパニに藤谷耀司をスカウトしてこい」と命じます。
命じられた谷岡初音の背景には"vivace"の文字が。
それを見た私の家族が「ねー、vivaceってなんだっけ?」 と言うので私は「めっちゃ速く的な」と答えました。
でも、なんだか腑に落ちない私。
自分の持っていた音楽用語辞典を引きました。
そこには"快活な、生き生きとした"の文字が。
他にも、インターネット上の辞書で調べても"活発な"の文字が。
『快活?活発?vivaceって速度記号だよね?快活や 活発って速度を表す単語なのだろうか…』
『そもそも、なんでこんなざっくり「めっちゃ速く的な」 と覚えていたのか…???』
ぼんやり原因が思い浮かびました。
メトロノームです!

メトロノームの中でvivaceはこんな位置。

けっこう速いです。
視覚的に速いものと捉えていました。
速けりゃ良い訳では無いのですね。
『"活発"を表現するから自然とスピードも速くなるということなのかな?』と思いました。
速度記号であっても速さだけを意識するのではなく、単語自体の意味も意識すると、理解が深まった気がしました。
※個人的な感想です
そこで。
我々が修理したり調律したり販売している"ピアノ"。
音楽記号でもありますよね、"p"で、ピアノ。
音楽記号"p"の意味は何でしょうか。
皆さんご存知"弱く"ですね。
反対は"f"で、フォルテ。"強く"ですね。
さてさて、音楽用語辞典ではなく、 イタリア語辞典を引いてみると"piano"は、「ゆっくり、 静かに、慎重に、小声で」など。
おっと、「弱く」ではないのですね。
(※先程のvivaceは音楽用語と同じく「活発な」でした)
さらには、"pianopiano"で"ピアノピアーノ"「ゆっくりいきましょ」的なとても良い言葉まであるらしい。
楽譜上に"p"が出てきたら、単に「弱く」じゃなくて、「ゆっくり、 静かに、慎重に、小声で」 を思い出してみると良いかもしれません。
皆さん無意識にやられていますが、 pを出そうとするときは鍵盤をゆっくり押してますよ。
反対に、fを出すときは速く押してますよ。
弱く弾く、強く弾くだけではないんですね。
ピアノは構造上、音の強弱は、鍵盤を弾く"強さ"=ハンマーの打弦" 速度"となります。
ピアノの中の動きを想像しながらピアノを弾くと、 楽器と一体になれる気がして、楽しいですよ♪

『ハンマーが弦をゆっくり静かに押す様子』をイメージするとppppなんて「 どんだけ弱く弾けば良いのよー!」なんて音も、 悩まずにだせるかも?しれませんね。
※あくまでも個人的な意見です
あまりにゆっくり、そ~~~~っと押すとハンマーが弦を打てずに脱力してしまうので発音しません。
ピアニッシモの力加減、難しいですよね。きれいなピアニッシモを出すことは私にとっては永遠の課題です…。

あ、ちなみにForteは音楽用語のまま「強く」でした。
他に激しいという意味もあるそうです。
音楽記号と元の言葉の意味、両方を考えてみるとちょっと解釈が広がると思いませんか?
さらには、その表現をするときにはピアノの中ではどんな動きがされているのか…想像してみませんか。
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