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店頭ピアノ

新品の消音ユニット付き♪ヤマハUX+コルグKHP-2500

~こちらのピアノはご成約となりました~



三浦ピアノです。


渋谷店に展示しているピアノの情報をお伝えします。



<YAMAHA UX + KORG KHP-2500>※ヤマハリニューアルピアノ+新品コルグ消音ユニット


中古市場で以前から変わらぬ人気を誇る初代UXに、新品のコルグ消音ユニットKHP-2500をセットしたお得な商品です。



高さ131cm/間口154cm/奥行65cm/重量250kg/1980年製



まずはピアノ本体から見ていきましょう。


音の立ち上がりが素直で、一本筋の通ったちょうどいい厚みのある音色です。


 

UXといえばX支柱。


正面からは見えませんが、名前の由来にもなっているX支柱。支柱はピアノの背面にあります。


ピアノに張られている約230本の弦の張力を支えているのが、中に入っているフレーム(鋳鉄)と、この支柱。


一般的には支柱はまっすぐな形をしています。



UXに使われているX支柱はその名の通り支柱がXの形に。



さて、ではなぜXの形になっているのでしょうか?


まず、ピアノの弦の張力は1台で約20tにも及びます。


ピアノの弦は、長さを長くとるために斜めに交差して張られていますので、それだけの大きな力を支えている支柱も斜めに交差させることでねじれや反りに強くなり、ピアノ全体の剛性・耐久性を上げることに伴い、響板支持が増して音の伸びやかさへとつながると考えられ、X支柱が誕生しました。



UXって支柱がXになっただけなの?と思われがちですが、当時のスタンダードシリーズに比べていろいろと工夫されたピアノです。


まずは当時のカタログを見ると「トーンエスケープ採用」と書いてあります。



一般的にトーンエスケープといえば、上前板にスリットが入っていたり…(例↓)



上前板の中央部分を手前に引っ張り出す譜面台をイメージしますが…(例↓)



UXの場合は、実は、鍵盤の下にある下前板の隙間を大きくすることでその効果を得ています。


この世代の後のピアノでもちょくちょくこういうトーンエスケープ、あります。





アップライトピアノは基本的に背面にある響板がメインとなって音を鳴らしていますが、この隙間が音の逃げ道となって、演奏者に直接音が届くようになります。


それ以外にも、次高音~高音にかけて分割アリコート(※1)が採用されており艶のある音色を奏でてくれますし、中~低音部の駒にはオーバーハング(※2)方式が採用されており、充分な弦長が確保されているため中~低音の切り替え部分も滑らかな音になっています。


一見普通の黒いピアノですが、実はいろいろと工夫が凝らされているUX。


その工夫がきちんと音色の豊かさに反映され、今でも根強い人気があるのも頷けます。


実際にはスタンダードラインのUシリーズでもU3M以降はアリコートらしきものがついていたりもするのですが、モデルチェンジ後はまたつかなくなったり当時のカタログに記載が有ったりなかったりしてます…(;^_^A(弊社は古い店なので、昔のカタログも資料として豊富に保管しています)。

(※1アリコートとは、豊かな倍音を出すための方策です。1本の弦が端から端まで全て鳴っているわけではなく、実際に音を鳴らしている部分(有効弦)と音が鳴らない部分に分かれています。音が鳴らない部分は共鳴弦とされていますが、有効弦に対して共鳴弦の長さが整数比になるように分割することによって、より豊かな倍音を鳴らすように工夫されたのがアリコート方式です。)


(※2オーバーハングとは、弦長を長くとるための方策です。中低音部は特に、澄んだ滑らかな音を出すにはなるべく長く弦長を取りたいのです。ピアノが音を出すためにはハンマーが弦を打ち、響板(共鳴板)に貼られている駒に振動が伝わり、駒から響板へ振動を伝えながら増幅して音となります。弦の端が駒に接触しているため、その駒を響板のなるべく端っこに寄せれば弦長を長く得られますが、響板の構造上、振動効率を上げるには駒はなるべく中央寄りに有ってほしいため、単に駒を端っこに寄せるのではなく、駒はなるべく中央へ寄せた上で駒の形状を工夫し、弦が接触する駒上部は響板の端の方へせり出すようにしてなるべく長い弦長を確保しています。)



さて、消音ユニットについてですが、内部について詳しくご覧になられたい方は過去ブログ(←クリック♪)にて解説いたしておりますので、そちらが参考になれば幸いです。


この場ではさくっとご案内いたします。



まず、消音ユニットとは【今までの普通のピアノとしても弾けるし、電子ピアノのようにも弾けるようにする】ためにピアノに取り付ける機械のこと。


レバーまたはペダルの切り替えで、生のピアノの音は出ないようにして(消音ON)、その間は電子音がヘッドフォンから聞こえるようになります。


消音ユニットを取り付けることで、昼間は普通のピアノとして演奏、夜間など外に音が漏れては困る時間帯は消音モードで演奏♪という1台で2役をこなすピアノに♪


消音ユニット付きの生ピアノと、電子ピアノの決定的な違いはこの切り替えができるという点と、「消音ピアノは内部構造は生ピアノのまま」という点です。消音時には音はもちろん電子音になりますが、一般的な電子ピアノのタッチ感とは雲泥の差があります。


消音ユニットは他の店頭展示品に後付けも可能ですし、お手持ちのピアノへ出張取付も可能です♪


「お休みの日以外は夜しか弾けない」「家族がテレワークなので音が出せない」などなど現代のお悩みに消音ユニット付きのピアノ、いかがでしょうか。


レバーひとつでさくっと切替♪ぜひご試弾してみてください。


皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。


 
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